日本人が劣化!?

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タイトルにはこう書きましたが、日本人が劣化していないのは知っています。

ただ、今の状況はだいぶヤバいなと思うことも事実なのでタイトルにしました。特に若者には危機意識をもってほしいと思っています。

まず最初に僕のスタンスとして「いいものはいい」を大事にしたいと思っています。それは、国だとか宗教だとかの偏見をできるだけ除いて、「いいものはいい」と評価したいというものです。もちろん、どれだけ頑張ろうと主観の域を出ないので、可能な限り近づけたいという僕の意識です。

今から約20年前、ちょうどApple社がiPodをこの世に送り出した頃、僕はアメリカにいました。語学を学ぶことを目的とした留学だったため、日本人があまりいない場所に留学先を選びました。学校には主に韓国人、台湾人、メキシコ人がいました。中でも韓国人が特に多かったことを記憶しています。

僕は日本からコンパクトなソニー製のMDウォークマンを持って行きました。毎日、リスニングの勉強や気分転換に音楽を聴くためでした。僕の持っているMDウォークマンを珍しく思ったのか、現地の先生(アメリカ人)や他のアジアの留学生から興味を示されました。僕自身も「やはり日本製が一番だ」という思いから、彼らに軽い優越感を抱いていたことを覚えています。今となっては、とても恥ずかしいことなのですが・・・

ある時、僕の担当の先生が、MDウォークマンを指で刺して、「 Is this an iPod ? 」と尋ねてきました。

その時の僕はiPodの存在を知らなかったので、あいまいな返事をしてしまいました。

「アメリカではMDウォークマンのことをiPodというのかな?」そんなふうに考えながら。そのおかげでその後、僕のあだ名は「Mr.iPod」となりました。不幸中の幸いにも、そのあだ名は広がらず、その先生からだけそう呼ばれ続けましたが・・・

それから半年が経ち、帰国をしてから1年もしないうちにみなさんもご存知の通りiPodは瞬く間に、世界中で大ヒットしました。その後のAPPLE社の快進撃は言うまでもないですね。

日本の製品が一番輝いていた

ここで何が言いたかったかというと、ほんの20年前までは、日本の商品は世界で誇れるものであったし、世界中からあこがれられるものがたくさんあったということです。僕自身も日本製を好んで買っていました。品質、デザイン、利便性3拍子がそろっている。そう、「いいものはいい!」心からそう感じていました。

では、現在は?

韓国製と日本製なら、韓国製を購入する自分がいます。液晶テレビなどは顕著にそうです。もちろん、韓国製だから購入するのではありません。いいと思うものがたまたま韓国製だからです。それは、自動車、家電製品などの「モノづくり大国」日本の得意分野だったものにも顕著に表れてきています。

この状況は20年前のことを思い返すと当然の帰結のように感じます。なぜなら、僕が出会った韓国人や台湾人はとても熱心に英語を勉強し、アメリカの技術や文化について謙虚に、そして貪欲に学ぼうという意識がありました。一方、僕を含む日本人は、どこか余裕さが垣間見え、貪欲さに欠けていた感があったからです。おそらくその当時のアメリカへの留学生も日本は韓国や台湾に比べ減少傾向にあったと思います。

かつては経済大国日本と呼ばれていた

1990年代にバブルが弾けてから、下降の一途を辿っている日本ではありますが、日本人の能力は世界に引けをとるものではないと思っています。ただし、この急速に変化する昨今においては、日本人の良さがかえって邪魔になっているのではないかと感じることが多々あります。それは「和を以て貴しとなす」とする民族意識が、行き過ぎてしまって個人を尊重することが軽んじられてしまうことから生じているように思います。本来なら、ここで言う和とは協調することであって、迎合することではないはずなのですが、後者によって引き起こされる問題が社会でも世間でもよく目にします。

協調とは、利害の対立した者同士が、おだやかに問題を解決しようとすること。「労資―」。性格・考え方などの異なった者同士が、互いにゆずりあって調和していこうとすること。

Oxford Languages

正直に言うと、僕自身の見解では、今後の日本の将来に未だ明るい兆しは見えていません。

しかし、個人の未来は国がどうであれ切り開いて、明るい未来を作ることは可能だと信じています。

特にこの日本では、まだまだチャンスは多いです。長々と書きましたが、一番言いたかったことは、こんな状況でも個人の努力と運次第では、まだまだポジティブに考えているということです。ただし、そのためには、日本の置かれている現実をしっかり直視することが欠かせないと思います。自分が置かれている状況を把握して、そこからどう行動するのかを考える。そうしないと切迫感や緊張感も生まれません。モチベーションにも影響します。

人生100年時代、この世の去り際に、笑って死ねるように僕も頑張りたいと思います。

最後に、2022年5月に経済産業省が「未来人材ビジョン」を公表しました。

これは、2030年、2050年の産業構造の転換を見据え、それぞれの産業や職種において、組織内の人事制度や業界の人材育成の在り方の議論に一石を投じることを目的としています。是非、一読していただければと思います。

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